「うみねこのなく頃に」の数多くの謎を整理、考察するためには、この作品の複雑な世界構造を整理し、考察の土台とすることが重要です。
そこで、EP4のTIPSラムダデルタ卿による回想記で語られた「ニンゲン」「魔女」「航海者」「造物主」の4つの立場を元に、「うみねこのなく頃に」の世界の階層分けを行いました(下図)

※注意
「航海者」「造物主」
も広義では魔女に含まれる存在ですが、ここではそれ以外の普通の魔女を便宜上「魔女」と表記します。

階層図

図のように、それぞれの立場に対応する世界があり、上位の世界が下位の世界に対して干渉及び観測が可能であるという関係になっています。
これは別の言い方をすれば、下位の世界で起きた出来事は「上位世界からの干渉がある物語として解釈される」という構造になっています。
この言い方だと抽象的すぎて分かりにくいので具体例を一つ挙げます。

例:
 (上位の世界)魔女の視点…ベアトリーチェが魔法を使って六軒島を嵐で閉ざした。
 (下位の世界)ニンゲンの視点…六軒島に台風が来た。

このように、一つの出来事が複数の視点から解釈され、ニンゲンの視点であるミステリーの解釈と、魔女の視点であるファンタジーの解釈が生まれました。

階層を分けて考えることで「うみねこのなく頃に」という作品をミステリーとファンタジーの両方の視点で説明し、立体的に作品を理解していくという方針で考察を進めていきたいと思います。