「……1986年10月4日から5日の二日間のゲームについてはな。だが、そのゲーム盤の外についてまで、俺は魔女の存在を問うつもりはねぇぜ。」
「そもそも、悪魔の証明により、魔女の否定は不可能だ。そして、このゲームのルールに従い、赤でそれを語るのもステイルメイトで禁じ手だ。赤き真実でさえ、魔女の存在を否定はできねぇんだぜ。」

(EP5.戦人)

当ブログの考察方針「ファンタジーを否定しない」と言う前提があり、そこから世界構造の解釈でニンゲンの世界以外に幻想的な世界をいくつも認めています。
ここで、「それはファンタジーに屈したことになるのでは?」と思う人もいるかもしれません。
ですので、ここではミステリーとファンタジーの両方の視点による考察は、ファンタジーを完全否定する立場と大きな違いがないことを説明したいと思います。


1.ニンゲンの世界における超常現象は認めない
まず、世界観考察ではうみねこの多層世界を「ニンゲンの世界」「魔女の世界」「航海者の世界」「造物主の世界」と作中で紹介された概念によって整理しました。ここで「ニンゲンの世界」以外の3つを纏めて「ファンタジーの世界」と呼ぶことにします。
そして、「ニンゲンの世界ではファンタジー的な超常現象は起きない」とはっきりと区別を行います。
(整理というものは基本的に区別を明確に行うことを目的にするものです)
「ニンゲンの世界における謎の真相」=「ミステリーの真相」として考察することで、ニンゲンの世界におけるファンタジー要素を否定するというミステリーの視点の維持が可能となります。

2.ファンタジーの描写はニンゲンの世界で解釈する
前述のように、超常現象はニンゲンの世界で起きないと言う前提を考えると、「ファンタジーを否定しない」という立場からは「超常現象はファンタジーの世界で起きている」という当たり前のような結論に着地します。
しかしここで「ファンタジーの世界だからなんでもあり」と考える訳にはいきません。
うみねこのファンタジー世界には様々な設定が用意されており、それらの整合性を考える必要があるからです。
そして、「ファンタジーの世界の出来事はニンゲンの世界の出来事に対応する」という視点でミステリーとファンタジーの両方の視点からの考察を進めます。
これにより、「なぜこのような幻想描写が描かれたのか?」と言った視点で作品全体を考察できます。


以上より、「ニンゲンの世界でミステリーの考察を、それ以外の世界でファンタジーの考察を行い、ファンタジー描写の意味についてもニンゲンの世界の謎として扱う」という方針は、うみねこをミステリーで説明するという方針と共通している部分が多く、ファンタジーに屈して思考停止をした訳ではないという事を表明したいと思います。