「うみねこのなく頃に」のEP5の謎を一問一答方式で書いていきます。
(EP全体に関しての話のこちらの記事と合わせてお楽しみ下さい)

書籍「最終考察うみねこのなく頃に散」の「偽書作家テスト」を改変したものに加え、その他気になる点について書いていく予定です。
もし「こんなことが聞きたい」というような質問がありましたら、気軽にコメント欄に書き込んで下さい。

尚、この内容はあくまで「うみねこの読み方のひとつ」であることを予め宣言しておきます。

■EP共通
Q.ベアトのゲームのミステリーの真犯人は?

A.犯人は「紗音、嘉音と同一の肉体を持つベアトリーチェという名の人物」です。
共通の共犯者である源次、熊沢、南條に加え、EP毎に異なる人物を買収し、共犯者としています。

■EP5
Q.この事件の共犯者は?
A.夏妃とヱリカを除く全員が共犯者。
戦人はベアトリーチェがゲームマスターなら共犯者にしない駒だが(元々戦人に解いて欲しいミステリーだから)、ラムダデルタはあえてその「愛がない、義理の通らない」ゲームを展開しました。

Q.戦人をどのように買収したの?
A.まず大人たちに金蔵の死を告発し、「夏妃に金蔵の死後隠蔽を自白させるための狂言殺人」を実行させる取引をします。
そして「戦人を黒幕のふりをして参加させろ」という条件を飲ませることで戦人を狂言殺人の共犯者にします。
条件を飲めば大金を与え、条件を飲まなければ命を保証しないという脅しを用いればその取引は可能であると考えられます。
蔵臼や子供たちに対しては「突然のゲストのヱリカを驚かせる為に狂言殺人事件ごっこに付き合うように」という指示を出せば協力を得やすかったと想像できます。

Q.1986年親族会議直前のシーンで真里亞がさくたろうと遊んでいるのは何故?(7/1追加)
A.このゲーム盤の世界はベアトリーチェに「戦人に対する恋の芽」が存在しないので、「マリアージュ・ソルシエールが結成されていない」という特殊な状況が再現されています。
よって、さくたろうは擬人化されておらず、破壊されることなく真里亞が所持しています。

Q.親族会議休憩中、食堂の扉をノックして手紙を置いた人物とその方法は?
A.ノックをして手紙を置いた人物は実在しないです。
食堂に居合わせた全員にそのような人物がいたと偽証させることでヱリカと夏妃を騙します。

Q.いとこ部屋4人殺しの犯人と方法は?
A.第一発見時の死体は偽装死体でした。そしてヱリカに対する死体消失を演出するため別の場所へ移動します。
そして移動後、隙を見て真犯人ベアトリーチェが4人を殺害します。方法は漫画版で毒殺が示唆されています。

Q.いとこ部屋に出現した魔法陣が下手くそだったのは何故?(7/1追加)
A.EP5の世界のベアトリーチェは戦人への恋の芽を預けられなかったため、六軒島で活動することなく、魔法設定を練り上げてマリアージュ・ソルシエールを結成するという従来の経緯を辿っていません。
よって従来のゲーム盤のような「魔法陣の型」が用意されず、上辺だけ碑文殺人を見立てるような装飾が施されるに留まったと考えられます。
同様に、第二の晩も従来と違い秀吉・絵羽夫妻のうち秀吉しか殺されないという碑文殺人の見立ての甘さが現れています。こちらは、碑文の見立てよりも絵羽に夏妃を責めさせることを優先した為であると考えられます。

Q.いとこ部屋の4人の死体が偽装なら、その描写を出したすぐあとのシーンに「譲治、朱志香、真里亞、楼座、源次の死体は、誰が見ても、一目で死亡が確認できる」という赤を出すのずるくない?
A.その赤字を出されたシーンの冒頭では「ここでは、ここが何処か、今が何時かを問うことには、何の意味もない。」という特殊な但し書きが描写されています。つまり、これを根拠として赤字の時間差トリックが使用されたと推理することが可能なので、このような赤字の使い方は有効であると判断できます。

Q.使用人室の源次殺しの犯人と方法は?
A.いとこ部屋の4人と同様に、第一発見時は偽装死体で、実際の殺害はそれより後となります。

Q.謎の場所からの脅迫電話の犯人と方法は?+第一の晩で殺害された6人の死体はどこに隠されたの?
A.ベアトリーチェが電話が使用可能な使用人室、または六軒島の地下(黄金の貴賓室または九羽鳥庵への地下通路)から脅迫電話をかけていたと考えられます。
また、六軒島の地下は死体消失を演じた5人の潜伏先に及び死体の隠し先にも好都合の場所であったと言えるでしょう。

Q.蔵臼殺しはどのように行われた?
A.蔵臼は狂言シナリオに従って夏妃に電話をかけさせられ、その直後に殺害されます。

Q.夏妃が、蔵臼が脅迫されてるのを知らされる時の脅迫電話の最中に部屋の外で嘉音と郷田の声を聞いてたけど?(原作のみ)
A.郷田が嘉音のアリバイを作るために嘉音がその場にいるかのように振る舞い、夏妃が扉の向こうに嘉音がいるという誤認をしたと解釈できます。
電話を終え、扉を開けると実際に嘉音がいないことを確認することになりますが、郷田が嘉音が急用で別の場所に向かったというような誤魔化しをすることになるのでしょう。
この展開は強引であったと判断されたためか、漫画版ではシーンごと削除されています。
もしくは、原作版では電話の主は源次、もしくは戦人だったのかもしれません。

Q.客室の秀吉殺しの犯人と方法は?
A.夏妃に隠れることを命じたクローゼットからギリギリ見える位置で、秀吉は殺される演技をします。
秀吉は幻想法定開始直前の時刻(5日24時直前)にベアトリーチェに殺害されました。

Q.突如現れた古戸ヱリカはどのような存在か?
A.ベルンカステルの駒で、「探偵」という特殊な設定を持ってベアトのゲーム盤で行動します。
第五のゲームではゲームマスターの誘導に乗って夏妃犯人説を主張し、夏妃を追い詰める推理を行います。
彼女には縁寿のようにどこかのカケラにモデルとなった人物がいると思われますが、名前は違っていた可能性があるでしょう。

Q.19年前の男の正体は?
A.真犯人ベアトリーチェで、実際に「19年前の男」と同一の存在である人物です。
第5のゲームのベアトリーチェの動機は、夏妃に対する復讐であると言えます。
なぜ動機が異なるのかというと、それはEP5のゲーム盤はベアトリーチェが「戦人に対する恋の芽」を持たない存在として再現された世界だからであると考えられます。
紗代が恋の芽に苦しめられ続けた結果、恋の成就ではなく戦人を使った夏妃への復讐を動機として碑文殺人が計画されたのです。

Q.作中で示されたノックスの10戒の意味は?
A.ベアトリーチェのゲーム盤をミステリーの視点で解くための大きな指針だと言えます。欠番を除く全ての条文がベアトリーチェのゲーム盤について有効であると考えられるので、問われている謎に対しては全て伏線が用意されていると仮定して挑むことが可能です。

Q.ベアトリーチェに対する戦人の心証が大きく変わった理由は?
A.ワルギリアとドラノールの助力により、戦人はベアトリーチェのゲームを「ミステリーで解ける」「戦人に解いてもらうために出題された」と信じ、これまでのゲームを振り返ることで犯人、犯行方法、動機の全てを理解しました。
そしてベアトリーチェが戦人に思い出させようとした「紗音を迎えに来る約束を忘れていた罪」を思い出し、またベアトリーチェへの理解が遅れたことで彼女の絶望による死から助けることが出来なかったことを悔やみます。
その結果彼女は否定すべき敵という存在から、理解して助ける事ができたはずなのにそれができなかったという後悔の対象となる存在に大きく変化しました。

Q.戦人はどのような筋道でベアトリーチェのゲームを理解してゲームマスターになったの?
A.まず共犯者がついた嘘が真実のように描写されることは「ベアトのゲームが真里亞の書いたメッセージボトル」であるという事実から理解可能です。
そして探偵時に紗音と嘉音を同時に観測しなかったこと、非探偵時にしたことから紗音と嘉音は共犯者にのみ同時に観測される同一肉体の人間であることに気付けますです。
そして、6年前の罪というキーワードに関連する紗音の発言を追うと「白馬に乗って迎えに行く」という発言がゲーム内で言及されていたことに気付き、そこから自身の記憶を辿り「迎えに行く約束をし、忘れていたことが罪」と気付きます。
また、嘉音が共犯者によって主張される存在であることが様々な場所で散見されるので、「共犯者とそれによる口裏合わせ」がゲームのギミックを解く鍵であると理解できるでしょう。
そしてそこまでの方法で説明できない南條殺しから紗音、嘉音に続いてさらなる同一肉体の人物「ベアトリーチェ」いうベアトの心臓の一つを理解します。もう一つの「爆弾」という心臓はEP1、2,4の5日24時の描写から推理可能です。

Q.EP5の幻想法定で主張された夏妃犯人説と戦人犯人説はどちらが正しい?
A.実はどちらも不正解で、答えは他のゲームと同様ベアトリーチェ犯人説でした。
ヱリカと夏妃以外の全員が狂言シナリオとして協力しているため、共犯者視点では夏妃やヱリカを陥れる為の殺人事件ごっこに見え、ヱリカ視点では夏妃だけが疑わしく見え、夏妃視点では19年前の男による殺人事件に見えるという構成になっています。
そして全員を騙し、実際に碑文殺人を実行していくというのが真犯人ベアトリーチェの用意したシナリオです。

Q.このエピソードと現実世界の関係は?
A.このゲーム盤ミステリーのシナリオは八城十八によって書かれた偽書「End」のシナリオが元になっています。ゲームマスターがベアトリーチェでないゲーム盤というのは、「夏妃犯人説」「戦人犯人説」を主張する世論を反映させたからであると考えられます。
そして、このシナリオでメタ世界の戦人がベアトリーチェとゲーム盤ミステリーを理解していく流れは、八城十八が紗音(安田紗代)を理解していく思考の流れを反映していると考えられます。
さらに、ベアトリーチェを理解した戦人が手首を切る描写がありますが、これは八城十八が彼の中の右代宮戦人の後悔という記憶に呑まれ、発作的に自殺をしようとしてしまったことを反映した描写であると考えられます。